株式会社データミックス 堅田洋資さんインタビューVOL.1

はたらくことメディア

はたらくことメディア 堅田 洋資

柔軟さとオープンさで、人生を変える。データミックス堅田洋資さんに学ぶ能動的な生き方。

2020.7.20

堅田 洋資 プロフィール

株式会社データミックス
代表取締役社長/データサイエンティスト
1982年東京生まれ、桐光学園高等学校出身、一橋大学商学部卒業。
在学中のインターンにより、ベンチャービジネスの成長と醍醐味を肌で感じビジネスに開眼。卒業後は大手外資系メーカーにて経理、マーケティングを皮切りに、監査法人での事業再生コンサル、ソフトウェア企業からスピンオフした生体センサー新規事業の企画開発を伴う取締役、アルゴリズム開発、営業、データサイエンス、など様々なビジネスの経験をもつ。
2013年サンフランシスコ大学へデータ分析学修士号を取得。
2017年2月株式会社データミックスを設立。
著書
Excelで機械学習
フリーライブラリで学ぶ機械学習入門
ベンチャー魂を心に、日本中でデータサイエンスをツールにビジネスに貢献できるビジネスパーソンを育成する教育事業を展開。
日本を支える企業を深部から根本的に体質改善をする「漢方薬的アプローチ」を続け、本質的なDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与し、活躍の幅を広げている。


DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、
世界中で提唱・実行され日本でも経済産業省が推進ガイドラインを発表しました。
デジタルガバナンス・コード2.0(令和2年11月9日)
内容が少々難しいですね。

ガイドラインを見る限り難しいDXですが、私たち「はたらくことメディア」がAI民主化にまい進するエキスパートの方々や企業とお話しをする中で得た「DX」とは、
‘今まで経験値や感覚、勘に頼ってきた企業のアナログ経営を、
データ、ツール、インフラの力を組み合わせることで
多様化する顧客ニーズに併せて経営を変革すること。
それは最終的に世界でのビジネス競争でも十分戦える企業経営へ変革すること。と私たちは理解しています。
組織にデータ活用を推進していくということはそう容易なことではありません。
デジタル格差は組織内でも大きく、知ろうとしない限り、多くの人にはデジタルトランスフォーメーションは「結局のところ、よくわからないこと」のかたまりだったりするわけです。
しかし確実に変革は起こっています。
インタビューを通し、私たち「はたらくことメディア」が深めていく理解と共に、読者の皆さんのポストデジタル時代の本質的な理解が進む事を目的とし、今回も前回の河本教授に続き、DXを推進活性化するうえで欠かせない、データサイエンティストの育成事業を手掛ける株式会社データミックスの代表取締役であり、自身もデータサイエンティストでもある堅田洋資氏にお話をうかがってきました。


データサイエンティストを育てることは、企業への漢方薬的アプローチ。

ー 堅田さん、株式会社データミックス(以下、データミックス)について教えてください。

弊社はビックデータ、人工知能、機械学習などをはじめとしたデータサイエンティストを育成する教育、研修事業と、育ったデータサイエンティストたちを企業へ紹介する人材紹介、法人研修、コンサル事業などを展開しています。

ー ではまず、データサイエンティストを育成する教育事業について聞かせてください。私の勝手な先入観ですが、数学が元々よくできる方などが多いのでしょうか?

いえ、そんなことないんですよ。笑
データミックスに学びに来てくれる層は、大学のデータサイエンス学部の学生の層とは違い、「文系で数学が苦手でプログラミングもやったことありません。」という感じの層が多いんです。
だからデータミックスでは対面授業にこだわっています。
現在はコロナ禍ということもあり、対面とオンライン半々くらいですが、それでも対面で授業を受けたいという方が多くいらっしゃいます。
メインの年齢層は20代後半から30代前半くらいが多いですね。

ー 録画授業を見るeラーニングではないんですね。

もちろんeラーニングで学ぶ部分もありますが、こだわりがあってのLIVE授業です。
英語の勉強でいうと、「単語」や「文法」といった覚える部分というのはeラーニングで良いと思いますが、「話す」「会話をして表現する」となると学習者同士でのやりとりであるインタラクションやフィードバックが必要になってきます。
それはデータサイエンスを学ぶ上でも同じことが言え、その場に人がいたほうが学習効果も高く、やりやすいというのがひとつ。
もうひとつは、先程お話ししたようにデータミックスの受講生たちはプログラミングもやったことないという状態からのスタートがほとんどですから、はじめのとっかかりが一番苦しいんです。
「プログラミングしてエラーがでた」や「数学的なことがわからない」
それがeラーニングだとはじめのとっかかりのバリアで孤立してしまうんですよ。だからそこで孤立させないよう、人が人にちゃんと教えていた方が初めのバリアを越えやすいという思いがあり、あえてLIVE授業にこだわっています。
ただし、「単語的な部分」はeラーニングがあるので事前勉強をしてもらいますが、授業ではせっかくの対面ですから先生が一方的に喋るのではなく、受講生同士でグループワークなどを交えてワークショップのような授業を中心にやっています。
勉強って多くの人にとっては苦痛なことが多いです。だからこの場に集めるということがまずは必要なんですよね。

ー 確かに!私も以前資格取得のためにeラーニングを利用しましたが、どうしても後回しにしがちでした。受講生はどのような課題に取り組むのでしょうか?


受講生自身が勤めている会社の課題を探し、卒業制作をするのですが、はじめは「こんなことできるの?!」が6か月後には「じゃあ、実際に会社でもやってみよう」と変化します。そして「自分たちがやってみて良かったから仲間を増やします」と他の人もデータミックスに習いに来て、社内にどんどん仲間を増やしていくんです。すると徐々にデータサイエンスがわかり、それを課題解決のためのツールとして使える人が社内に増えていくんです。漢方薬的なアプロ―チですね。
個人の方は、業界トレンドがあり、少し前だと金融系、今だと総務や経理が多いです。面白いところだと、お医者さんや気象予報士さんですかね。
気象予報士さんは、成田空港の霧を予測して学会発表をされていましたよ。

はたらくことメディア 堅田 洋資

「こうだったらいいのにな」が全ての元。好奇心とアイディア次第で色んなことが出来る。

ー 一部の部署から徐々にデータサイエンスをできる人材が増えていき、それがやがて組織全体のDX推進に貢献するかたちになるということですね。まさに漢方薬的。
今データサイエンスを学ぶ人々や業界を見ていて問題点はどこにあると思いますか?

良い会社に勤めていて、良い学校を出ていても、「あなたの会社の課題は何ですか?」と聞いても答えが出てこない人も一定数いるんです。
これが意外と出せないものなのだなという印象です。
課題がないのにデータ分析はいらないんですよ。データ分析は、課題解決のための道具なので。

これはデータ分析の能力ががどうこうというよりもっと根本的な問題で、課題を見つけたりとか、 課題を解決したいなとか、そういったことを感じるアンテナが足りてないんじゃないかというのが今の時点で思っていることです。

言われたことをやるっていうマインドセットは残念です。
研修をやっていてもちょっと変わり者だなって思うような人の方が、うまく勉強をして成果を出したりするんです。
言うことを聞いてます、いい子ですっていう子は何か物足りないなという風になってしまいがちだと研修をやっていても思います。 

― 言われたことをやっているだけではダメ。自分で考えられる力というのは必要ですね。
ゼロベースで何かを作り出すということが苦手な人が多いですよね。
日本人がそうなのでしょうか、留学されていたアメリカではどうでしたか?

私の印象でもアジア人はその傾向が強いかなと思います。
自分で考えるより、お勉強が好きでまんべんなくそこそこ出来ていたという感じ。アメリカ人の友達やオーストラリア人の友達は、もっと自分が好きなものというのがはっきりしていました。
例えばUberに行ったアメリカ人の友達は、機械学習はあんまり好きじゃないけど、ビジュアライゼーションが大好き。だからかっこいいグラフはすごくいっぱい作るけど他のものは全然興味がないんです。
「自分はこれが好き」というのをはっきりと表現するんだなと思いました。
与えられたお勉強ができるということと違い、「自分はこれが好き」ということを「自発的に自分で調べられる人」というのは、データサイエンスだけでなく様々なことで成果を出しているように思います。

― 世界にある課題、それを課題と捉えるかどうかもその人によって違いますよね。
それに気がつき、課題として捉えられる力は、人間力にも通じるように思えますが。

あると思います。
現場に行ったり、観察したりとか話したりだとか、私もそこだと思っていて。
一時期、コンサルはやっていなかったんですがそういった理由もあり、最近復活をさせているんです。
中小企業でのデジタルトランスフォーメーション(DX) という名目で、靴屋さんやネジ屋さんなど、デジタルに関わらず経営の改善に関わる事は全てやらせていただきますと出入りさせていただいているんです。

― ネジ屋さんですか?
  素人には、ネジ屋さんや靴屋さんからどんなデータが取れるのか想像もつきません。

なんでもできるんですよ、アイディア次第です。
例えばこの教室(データミックスのお教室で取材させていただきました)にもカメラがあって、生徒さんの目線を追いかけてみんなの集中度をとってるんですよ。その授業の品質を定量的に図りたいと思って始めたことなんですが、これも教育現場だけでなく、小売店などでも使えると思います。
もっと言えばアンケートも同じですよ。
アイディアとして見つければ何でもデータになっていくということです。
こういうことを知りたいと見つけられれば、なんでもデータになるんです。
好奇心と課題発見は似てると思っていて、「こうだったらいいのにな」「こんなことを知れたら面白いのにな」ということが全ての元になっていると思います。

はたらくことメディア 堅田 洋資

VOL.2に続きます。

取材・文:小川圭美

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