自分を信じる力とポジティブがもたらす効果。中央区議会議員 山本りえさん に聞く、しなやかに生きるヒント。
山本りえ プロフィール(取材当時)
東京都中央区議会議員、4,088票という圧倒的な得票数をもって3期目当選。
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川村学園女子短期大学卒業/慶應義塾大学法学部卒業/2011年4月中央区議会議員初当選
様々な職業がある中で、区議会議員としてはたらくことを自らの意思で選んだ。
正解のないものに対して、その都度判断し、決断していく。優雅で上品な雰囲気の中には、まぶしいほどキラキラと光る強い意志がありました。
正解はないからこそ、批判ではなく提案を。
— 現在3期目ですが、お仕事をされる中で失敗しちゃったなぁ、なんて事はありますか?
この議員という仕事には、正解がありません。自分で判断して決めていかなければなりません。
だから、それが後々正しかったのかどうかと思うことはあります。けれど基本的には発信したことや決めたことは変えることはできないので、そこに加筆していきます。
人は情報を得れば得るほど学び考えが変わっていきます。それは更新であって、失敗という感覚ではないですね。苦労とは違うかもしれませんが、ひとつの意見を言えば、それに反対する人もいるわけです。
反対意見に潰れないよう、いかに説得するかを大切にしています。
— とてもポジティブで気持ちが良いです、捉え方って大切ですね。学生の頃からポジティブなんでしょうか。
生い立ちや学生時代のお話も聞きたいです。
いたって普通に過ごしてきましたよ、自由気ままに。(笑)
母は「勉強しなさい」と言う人ではなかったので、本当によく遊びました。将来やりたい事を探せるためにも、若いうちにたくさん遊んでおかないと。好きなことを仕事にできるようにね。
もちろん反対の意見があると思うんですが、今の子供たちは小さい頃から塾ばかりで全然遊んでいないじゃないですか、「大丈夫かな?」って心配になります。日々の遊びの中から決断力や判断力などを学ぶと思います。
— そうですね、私も同意見です。現在私も子育て中で親としてとても難しいと日々感じています。「教育どうするべきかの渦」の中にいると何が正解なのか分からなくなる事があります。これも正解なんてないんですけどね。(笑)
そんな中で山本さんのように自由な子供時代を過ごし、このようにご自身でキャリアを切り開いているという事実はとても希望がもてることです。
大人になって決断力がない、判断力がない、コミュニケーション能力が低いと生きづらさを感じてしまいます。
さきほどポジティブという話がでましたが、それが私の根底にあります。仕事やプライベートでも基本的に前向き、未来志向でありたいと思います。
さきほどポジティブという話がでましたが、それが私の根底にあります。仕事やプライベートでも基本的に前向き、未来志向でありたいと思います。
— 全体を考えるということは色々な場面で必要になりますね。私自身もそうありたいと思いますが、視野が狭くなりがちです。全体を整理するうえでも何か考えをまとめるコツのようなものはありますか?
前田裕二さんの「メモの魔力」が流行ってますが、コツはメモと記録ですね。先の事はメモ、過ぎたことは記録です。
人間って、やった気になっちゃうんですよ、仕事した気になってしまうというか。(笑)だから毎日の仕事内容、例えば街頭演説をどこで何時間やったのかを全部記録しています。記録を確認したら自分が思っていたよりも意外とやってなくて「あれっ?」ってことも。(笑)常に自分との闘いです。(笑)
万人に好かれようとはしない、嫌われる覚悟も必要。
— やはり何事も、戦うべくは自分ということですよね。でもそれをやり続けるのは本当に難しい。
山本さんはモチベーションキープはどうされていますか?
そうですね、あまり真面目になりすぎず、上手に抜くことが大切です。
議員は、仕事と日常生活の線引きがあいまいです。3期目になってようやく抜き方がわかってきました。
それと、万人に好かれようとしないことです。この仕事って、印象の良い人でいなきゃ!好かれなきゃ!となりがちです。そこを割り切って嫌われる覚悟をもつことも必要なんです。
— こびないからこその山本さんの圧倒的な得票数なんですね。優雅で柔らかな印象なのに、戦略は潔く、得る票は倍近い。この格好良さは同じ女性として嬉しくなってしまいます。
選挙では選挙事務所も選挙カーももたないと伺いましたが、一見“普通の選挙活動”とは違う戦略に不安はありませんでしたか?
もちろんありましたよ。選挙事務所を持たない、選挙カーを使わない、組織団体の支援をうけないなど、みんなと同じことをしない選挙は不安です。不安を抱えたまま初めての選挙を経験し、蓋を開けたら何ら問題は無かったんです。
“普通の選挙活動”をする意味がないことが分かったので、今は不安がありません。
選挙準備に労力と時間を使うのならば、ひとりで街頭に立ちます。
その街頭演説に行くも行かないも自分次第。気分がのらなくても「とりあえず、行こう!」と自分に言い聞かせます。行ってしまえば結局2時間くらい演説しちゃいます。抜きつつも動いてみる事が大事。
— 行動することが大切ですね。気が乗らなくても動いてしまえば、それは行動の積み重ねになります。
唐突な質問になりますが、山本さんは「はたらくこと」って何だと思いますか?
はたらくことは、手段と言えばいいのかな、自分が幸せになるための手段。仕事自体がメインではなく、はたらくこと自体が人生を楽しむための手段のひとつということです。だから、仕事に楽しさを求めます。
心理学者のマズローが説いた欲求5段階説というものがあるのですが、人間の欲求には5段階の階層がありその最上級の欲求は自己実現だと説いています。自分はこうなりたいという欲求を満たし、幸福度や満足度を高めていくことが人生の根本かもしれないと思いました。
自己実現は夢であり、私の夢は議会活動が何らかの社会貢献につながることです。
— 社会貢献活動ですか、是非私もご一緒させてください。
では最後に今、社会に出て仕事や自分の在り方に迷ったり、悩んだりしている若者にメッセージをお願いします。
私もそうですが、誰もが様々な人に多様な評価をされていると思います。その他者からの評価よりも自分が自分をどう評価するかが大切。
比較するのであれば他者との比較ではなく、過去の自分自身との比較です。
他者との比較はマイナスの行動であり、自分を成長させない。他者に褒められることが目的ではなく、何が出来たかが大切なんですよ。目的を見失わないことです。
また、自己肯定感とよくいわれますが、私は「根拠のない自信」ってあっていいんじゃないかと思います。
— そうですね、その点で言うと根拠のない自信があると行動につながるように思います。
自信があると、褒められるということはあまり重要ではないはずですね。
そうです、何かしてみようと思うのは希望がもてるからなんだと思うんです。
政治も同じです。政治に対する不信感や無力感が無関心な大人を育てています。
子供や若者たちが「社会を変えられる」という希望を持って生きられる社会になって欲しい、そう思います。
取材・文:小川圭美
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