オーストラリア起業家 松本なみ さんインタビュー VOL.3

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はたらくことメディア 松本なみ

越えられない壁は無い。オーストラリアでゼロから道を切り拓いた留学、起業、子育て、私たちには選択の自由がある。松本なみさんの人生に学ぶ、人生の舵をとる生き方。

2020.2.3

松本 なみ プロフィール(取材当時)

オーストラリア メルボルンが拠点のナチュラルフードのオンラインショップ
Taiyo Health (Aust) Pty Ltd とハーブの製造会社Alinga Organics Australia Pty Ltd
2社の経営者であり、美しい自然に囲まれたバイロンベイで2人の娘を育てるシングルマザーでもある。
経営しているショップやクリニックだけではなく、健康相談やオンラインセミナーや執筆などを通し
多くの日本人のクオリティオブライフ向上に貢献している。

ATMS(オーストラリア伝統医学学会)認定ナチュロパス
Taiyo Health (Aust) Pty Ltd 代表取締役
Alinga Organics Australia Pty Ltd 代表取締役
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会顧問
株式会社エリクシノール 特別顧問
社団法人国際ナチュロパス協会 代表理事

公式HP :http://naturopathnami.com/ 
X(旧Twitter): https://twitter.com/naturopathnami
オンラインショップ:http://holisticplace.com.au/
アリンガオーガニクス:http://alingaorganics.com/


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ナチュロパシーを学ぶためにオーストラリアに留学した当時、アジア人はおろか留学生自体を受け入れていなかった大学に通うべく自ら交渉し、現在のナチュロパシーを学ぶ留学生たちの礎を築きました。更に20年以上前のオーストラリアではアジア人の就職はとても困難なものでした。そのため返事すら無いレジュメを100通以上送り、大変苦労しながらもやはり自らの手でその道を切り開き、今やナチュロパスの第一人者となりました。
現在2人の娘の母でもある彼女は起業当初、次女を出産したばかりで在庫管理や出荷業務など業務負担の分散の意味から、共同経営者と共に現在のTaiyoHealthOnlineStoreの母体となるオンラインストア運営を始めました。しかし順調に成長しつつあった2年目、その共同経営者は突然商品ストックと全資金を持って消えてしまったのです。
しかし彼女はオーストラリアで子育てをしながら、プライベートでも様々な変化も経験し、ひとりでは難しいだろうと思っていたビジネスを見事に返り咲かせたのです。

自分の弱さやずるさと向き合うからこそ見える景色がある。自分の人生の舵をとろう。

— 人生は楽しむ事と同時に、迷いや失敗もあると思います。
なみさんは人生に迷ったり挫折した時、大きく積み上げてきたものを取り崩すような出来事が起きた時、どのように乗り越え、人生を展開していきますか?

私の場合、挫折とはとらずに「ここから何を学んでどうやって成長していこうか」と考えます。
そういうことがあると自分の弱さやずるさがよく見えるじゃないですか。それらを俯瞰してみながら、 「この経験は、私にこういうことを教えてくれるんだな。それならこの経験を活かして、自分はもっとこういう人間になろう」と。
そして、サーフィンをしに行ったり、体を動かします。
でも、やっぱり旅行するのが一番だと思う。
そういったことがあった時に全く経験したこともないような、考えたこともないような景色を見に行くと、意外とすっきりしますよ。

— おすすめの旅行先はどこですか?

おすすめはインドです。すごく良かったですよ。
いろんな意味で衝撃的でした。自分の常識が覆るというか。
インドにはアウトオブコントロールな事がたくさんあって、自らの意志で変えられるものではない状況が現実にそこにありました。それを見たとき、自分の意志で動くことが出来る限り、どんな問題があっても解決できないことはないんだと私は思いました。
死ぬこと以外はかすり傷と言いますけど、本当にそうだと思いました。
実際に自分の目で見て、五感で感じる事で本当に人生の価値観が変わりますよ。

— では、仕事や生き方に対してなみさんのこだわりや価値観を教えてください。

私は喜び組なので、喜びを感じる事しかできないんです。(笑)
「この商品を取り扱ってください」とサンプルも送られてくるのですが、 自分が好きではないものは取り扱いませんし、勧められません。そういう性格なんですよね。
仕事でも金額ではなく、自分が楽しいと思えるものしかやっていません。
でもね、数年前までは何でも 「yes, yes 」とオファーを受けていて、すごいスケジュールになってしまった事もありました。でもそれではダメなんですよね。
今はもう楽しいと思えることしかしていません。
「この人と一緒に仕事をしたいな」とか「この商品を使いたいな」とかって直感に沿ったものはだいたい売れ筋になります。
なによりね、好きや楽しいという自分の心に正直に生きると楽しいですよ。

— キャリアや自身のあり方に悩んでいる人たちに何かメッセージをお願いできますか。

悩んだり迷っている時こそ、コンフォートゾーンを出てみてください。
毎日私たちはルーティーンに従って安全な場所にいて、毎日規則性のある生活をしていると安心です。でも、そこをあえて出てみて冒険してみてください。自分がちょっとドキドキする様なことをするからこそ、新しい自分に会えるチャンスがあるのではないでしょうか。

― コンフォートゾーンを出て、新しい事に挑戦すると失敗もあります。失敗した時の立ち上がるモチベーションキープ方法などはどうされていますか?

私は基本的に失敗があった後の成功はもっと大きくなると思っています。私の経験ではずっとそのパターンです。
失敗をしてそこで諦めてしまうという人は、トライし続ける粘り強さを持ってほしいと思います。その後、成功が待っているかもしれないのにそこで諦めてしまうのは本当にもったいないですから

はたらくことメディア 松本なみ

彼女は言います。「自分の意志で動けている限り、どんな問題があっても解決できないことは無い」と。でも例えば会社に務めている場合「自分は会社に縛られていて自分の意志で動けていない」と捉える事もできるでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか?
それは本当にアウトオブコントロールですか?
私たちには選択の自由があります。
強制では無く、その会社で働いているのは自分自身でもあるんですよね。

自らの意志で選び、行動していくという事は自由ではありますが、簡単な事ばかりではありません。人は一定の状態を保つと安心する生き物です。それは私たちヒトの身体を維持するうえでとても大切な機能である恒常性(ホメオスタシス)が働くからです。暑くなれば汗をかき、体温を一定に保つという事を自然に行います。同じようにそれは心の状態や行動にも影響をします。だからコンフォートゾーンから出てみることは、心理的にも行動的にも大変な事の方が多いのです。しかし、そこを出て行動した人にだけしか結果はやってきません。行動した人だけが見ることができる景色があるのならば、見てみたいと思いませんか。

このコンフォートゾーンと恒常性の話、私は身に覚えがありました。私は自身に何度も問いました 「やるって言いながら、結局コンフォートゾーンにいるんじゃない?」と。

この記事を読んでくださっているあなたはどうでしょうか?

取材・文:小川圭美


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