DataRobot Japan 坂本康昭さんインタビューVOL.3

はたらくことメディア

はたらくことメディア 坂本康昭

失敗しても良い、経験を経て世界は拡がっていく。DataRobot Japan 坂本さんに学ぶグローバルで自由なマインドセット

2021.5.16

坂本康昭 プロフィール

DataRobot データサイエンティスト。
2005年にテキサス大学にて認知科学博士号取得。
スティーブンス工科大学にて教授、データサイエンスプログラム立上げメンバーとして貢献。SNS上の情報共有に関する研究を含む50を超える学術論文を出版。
2015年帰国後、外資系大手保険会社にてチーフサイエンティストとしてデータサイエンス部門の立ち上げ及び AIの応用に従事。
2017年より米国発DataRobot社のデータサイエンティストとして金融、ヘルスケア、製造など様々な業界のお客様をサポート。
アメリカのデータサイエンス黎明期を知るデータサイエンティスト。

間違えたって、失敗したって大丈夫。初めから失敗無く完璧になんてできないよ。

ー ここからは、坂本さんのこれまでの人生のストーリーに迫りたいと思います。
  これまで素晴らしいキャリアを築いておられますが、海外にとても縁があるように思います。いつ頃から海外で勉強をしたいと考え始めましたか?

父がケミカルエンジニアだったので仕事柄、海外出張が多かったんです。
だから小学校1年から4年までフランスにいました。フランスの学校に通い当時はフレンチを喋っていましたが、今はもうできないですね。(笑)
中学高校は日本でしたが、日本のルールがあまり好きになれませんでした。
特に高校に入ってからは日本独特のルール、嫌でしたね。
高校生のとき、ハワイにある高校と交換留学をやっていたので2ヶ月かそのぐらいハワイに行って勉強したんですが、それがすごく楽しかったんです。それもあり、大学を考えた時に アメリカも候補に入れて受けてみようということで、アメリカで学ぶことになりました。
両親も協力的で是非行って来なさいという感じで、父が海外いろんなとこに行っていたのでオープンだったんでしょうね。

ー 日本のルールは素晴らしい面と窮屈すぎる面とそれぞれありますが、当時の坂本さんとってどんなルールが嫌だったんでしょうか。

ちょっと人と違うことをやると叩かれちゃうというところは嫌ですね。
ちょっと髪型が違うだけで色々言われちゃうとかね。
「自分でちゃんと考えなさい」というのがアメリカの考え方でした。
私立は制服があるところもありますが、基本自由で制服もなく、みんなそれぞれ好きな服を着て、好きな髪型です。日本も最近の教育では、自分で考えたり、自主性のことを言っているのに実際は結局「みんなおんなじが良いよね」ってなってしまっている。
これはきちんとどちらかにしないと、子供たちが混乱してしまうと思います。

ー アメリカに渡り、認知科学を学び、現在はデータサイエンティストという職に就かれていますが、「これを学びたい」と思った時期はいつ頃でしたか?

インディアナ大学2年生の時に学んだ心理学や認知科学がとても楽しかったんです。とにかく興味がひかれたんですよ、自分はこれをやっていくんだろうなって。
基礎研究をするのではなくて、ビジネスに応用と形は変化しましたが、今もやっていることもそれほど離れてはいないと思っています。

ー アメリカと日本の仕事観の違いについて教えてください。

冒頭に話したように、仕事についてもアメリカの方が自主性を大切にしていて「自分で考えよう」というのが基本です。そして、「失敗や間違いもあって良いよ」という文化が強い気がしますね。
「色々考えずとりあえずやってみろ、間違って学べば良いんだ」という感じです。

日本だと何かを始めるまでの期間に色々と心配事を揉み過ぎてしまって、スタートまでにとにかく時間がかかってしまうという面があると思います。はじめから失敗無く、完璧になんてできないですよ。まずはやってみないとインパクトにも繋がらないですからね。

私もアメリカ人に比べるとそんなに意見をいう方ではないんですけど、日本の会社では会議で「どうですか?」と意見を聞いてもまず答えが返ってこないですよ。そして、会議中にだいたい話すのは、その中で仕切っている人がひとりで喋って終わってしまうのだけど、会議が終わって一緒にエレベーターまで歩いて行くと急に色々あーでもないこーでもないと意見を言い出す。「それを会議の時に言っちゃおうよ!」っていう感じがしますし、なんでだろうとも思いますね。

その点でいうとアメリカでは逆です。「もうみんな黙って!」と言いたくなるくらい、みんなよく喋り、意見を言います。これは大学で教えていても同じで、「今、何故これを学んでいるんですか」とか、「これどうやってお金になるんですか」など質問をしてきてみんなビジネスマンなんですよね。

でもね、わたしは外資系でしか働いていないですから。笑
DataRobotでいえば、本社はボストンでその文化を日本にもってきていますし、初期メンバーもアメリカやカナダ、イギリスなどどこか海外で働いていた方たちですので、日本との違いというのを感じにくい環境かもしれないですね。笑

ー アメリカは学びの先にビジネスを見据えているということですか?

データサイエンスのプログラムに入ってくる学生たちは本当にそうでしたね。
ちょっと面白い研究やっていたという話を混ぜると「それってビジネスにどう役に立つんですか?」という風になるくらいです。笑

ー 坂本さんが思う、人生を生きるうえで持っていたら良いと思うスキルとは何でしょうか?

「自主性」です。自分で考える力は大事だと思います。

そして「何かひとつ、誰にも負けない得意なもの」というのも欲しいですね。

それと最近思うのは、「色んな事をポジティブに考えて学べるようなマインドセット」でしょうか。色々なことを試して、それでその中で間違えがあっても良い。それで成長していくわけですから。

ーポジティブかつ自分で考えて学んで試して、失敗を修正していく。 PDCA のサイクルのようですね。

そうです、PDCAにおいてもポジティブに考えられるということが大事なんですよ。
そうしていると不思議と周りにそういうポジティブな人たちが集まってきて、そのネットワークを大事にするっていうこれもスキルなのかなと思います。
やっぱり大きなことを一人でやるっていうのは出来ないですから。

私もまだ極められていないですが、自分の興味のある方向性というのを見つけるということが重要です。その「見つける」ということも もしかしたらスキルが必要なのかもしれないですね。

ー自分の得意や好きを答えてと言われても、ポンっとすぐに答えが出てくる人とそうでない人がいると思います、「得意を見つける」が難しいと考えている人が一定数います。

だからいろんなことを試すんですよ。間違えるかもしれないですけど、試すんです。
早いうちからそれができると色んな事を経験できますよ。

役にたてる、それが嬉しい。

ー トライアンドエラーで経験しながら学び進んでいく強さを得たら、人生の武器になりますね。時には悩んでしまう時もあると思います。坂本さんは悩んだり壁が立ちはだかった時はどのようにして乗り越えていますか?

私の場合は「人」ですね。

話していろんな人の意見を聞きます。

いろんな人の意見を集めると、2、3人の凄いエキスパートの人の意見よりも良いものが出てくるという研究があるんですが、正にそれです。いろんな人に意見を聞いてそれをまとめたものというのはだいたい良い答えがでてきますから、たくさんの方の意見を仰いでみてください。

ー坂本さんにとって「仕事」とは何ですか?

私の場合は、就活をしなかった時からそうですが、「やりたいことをやっている」という感じです。自分のやりたい事が仕事になっている感じです。

やりたい事とは、データや機械学習を使って人の意思決定の助けになるということでもありますが、それとは別に私の根底には「人の役にたちたい」というところがあるんです。
教えるのは上手ではありませんが、好きなんです。
大学で教えていたころには、学生が学んだということが分かるとすごく嬉しかったですし、 今で言えば会社さんはみんな困っているんですよ、 「AI、どうやって使うんだ?」って。そこを色々な形でお手伝いできて、役に立てる。
それが嬉しいんです。

だから別にデータサイエンスのスキルを使わなくてもエデュケーションでもなんでも、社会に貢献できるんだったら、それはそれで私は楽しめるんです。
といっても、何を教える?となったらデータサイエンスなんですけどね。笑

ー 「はたらく」ことって何でしょうか。

働くことって何なんだろう?人の役に立つことなのかな。

例えば今、自分がやっていることが誰かのためになるということが分からなかったらやらないですね。
人のためになっていると私は思っています。

課題解決のために、うまくDataRobotを使って欲しいと思っているので、しつこいんですよ私。
使ってくれる会社さんにまた来たよこの人って思われてるかもしれないですけどね(笑)

ー 今後どんな人生を生きていきたいですか?

次世代を育てたいですよね。
これから日本で活躍するような人たちを育てることができるような生き方をしたいですね。
見本にもならなきゃだし、そのためには 自分も常に勉強しないとですよね。

今のタイミングだとまだ子供が遊んでくれる年頃なので、ワークとライフをどうやってインテグレートしていくかということ。これがチャレンジになっているかな、結構難しいんですよ。でもそこをなんとか作り上げたいですね。子供達ももうちょっとしたら多分遊んでくれなくなるので、今はできるだけ時間を費やして家族と楽しく生きたいですね。
そんな生き方をしていきたいです。

ー 次世代を担う人たちにメッセージをお願いします。

日本はデータサイエンスの領域でアメリカやヨーロッパに負けているところがあるので、そこをひっくり返したいですよね。「日本って凄い!」って。
それができると私は思っています。

もっと大きな夢を描いてください。
そこへ向かう道はひとつではないので、色々な人と出会い、様々な経験をしながら本当にやりたいことをみつけるのでも良いと思うんですよ。

知識や経験によって、世界はどんどん広がっていきます。だからやりたい事は変わっていいんです。
そして、それと同時に大切なのは辛くなったら道を変えたって良いということ。
「逃げる」のも「違う道を探す」のもいい。
何故なら、辛くてもずっとそこにいて「耐える、耐える」で気が付いたときには心が壊れてしまっていたなんてことが日本では多くありますが、それではなんの意味も無くなってしまいますから。

でもその条件は、やると言ったら本気でやってみること。3か月とか短い期間でも良いです、一度本気で向かい合ってやってみてください。日本でよくありがちなだらだらと1年間時間をかけ続けるとかやっていたらダメですよ。

でもその条件は、やると言ったら本気でやってみること。3か月とか短い期間でも良いです、一度本気で向かい合ってやってみてください。日本でよくありがちなだらだらと1年間時間をかけ続けるとかやっていたらダメですよ。

目標をたてて、そこに向かって本気で取り組んでみる、それを繰り返してみてください。
結果が得られますから。
自分の意思を持って目標を立てて頑張ってください。

取材・文:小川圭美

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